メディア・アート

2004.03.29

『おたく』がヴェネチア・ビエンナーレに進出

国際交流基金のページ『波状言論』05号によると、今年のヴェネチアビエンナーレ建築展 日本館のテーマが「おたく:人格=空間=都市」となった。

仕掛けるのは『趣都の誕生』の森川嘉一郎さん

テーマについては、

これはおたく趣味が、特有の自意識とセクシュアリティをベースにしていることと関係している。これまで、国家や民族、宗教やイデオロギーなどをベースにした文化圏は多々あったが、人格をベースにしたものはなかった。この、都市をも変える新たなる構造としての「人格(キャラクター)」の浮上は、環境の情報化と密接に絡んでおり、資本とはまた違ったパターンで、容易に旧来の境界を越境し、場を形成する。
〈おたく〉を、商品や作品としてではなく、その人格を起点とした横断的概念として、展示を通して提示するものである。

と書いてある(国際交流基金のページより)。『人格をベースにした文化圏』がこれまでに全くあり得なかったものとは思わないが、「おたく」がその中でもっとも強烈なものであることはおそらく間違いないし、これからの都市や文化を考えていく上で興味深いテーマだと思う。

展示では、おたくの個室、コミケ、秋葉原、ネット空間などが箱庭として再現されるという。どのようなものになるのか、そしてどのような反応を得るのか、楽しみだ。

2003.12.20

ICCが好きだった

ある研究会でMITメディアラボ教授石井裕氏のプレゼンテーションを拝見した。マーク・ワイザーが「ユビキタス」という言葉に込めた理想に触れながら、「Calm Technology」「(視覚偏重ではなく)五感を使うコンピューティング」「かしこまって向き合わなくても直感的に情報を得ることができる『アンビエント』という概念」「タンジブル」など、石井氏自身の作品や哲学を語っていただいたのだが、そこで思い出したのがICCだ。

ICC(Inter Communication Center)は、NTTが1997年に作ったメディアアートのミュージアムだ。「コミュニケーション」をテーマに、世界各地のメディアアーティストたちが作った体験型の作品を展示したり、情報社会についてさまざまな人の示唆的な文章や記事を載せる『Inter Communication』という雑誌を発行している。インターネットや情報技術に対する夢が広がり、悪意などに対してまだまだ牧歌的だった頃、僕はここに何度も足を運んで、情報社会の未来に夢を描いていた。石井氏もここでイベントを開くなど、当時僕があこがれていた格好いいvisionaryの一人だった。

僕はいつの間にかICCへ足を運ばなくなってしまっていたのだが、聞いた話では今は少し規模を縮小して一部はケータイのショールームになってしまっているらしい。

こんど久しぶりに行ってみようかな。