『おたく』がヴェネチア・ビエンナーレに進出
国際交流基金のページや『波状言論』05号によると、今年のヴェネチアビエンナーレ建築展 日本館のテーマが「おたく:人格=空間=都市」となった。
仕掛けるのは『趣都の誕生』の森川嘉一郎さん。
テーマについては、
これはおたく趣味が、特有の自意識とセクシュアリティをベースにしていることと関係している。これまで、国家や民族、宗教やイデオロギーなどをベースにした文化圏は多々あったが、人格をベースにしたものはなかった。この、都市をも変える新たなる構造としての「人格(キャラクター)」の浮上は、環境の情報化と密接に絡んでおり、資本とはまた違ったパターンで、容易に旧来の境界を越境し、場を形成する。
〈おたく〉を、商品や作品としてではなく、その人格を起点とした横断的概念として、展示を通して提示するものである。
と書いてある(国際交流基金のページより)。『人格をベースにした文化圏』がこれまでに全くあり得なかったものとは思わないが、「おたく」がその中でもっとも強烈なものであることはおそらく間違いないし、これからの都市や文化を考えていく上で興味深いテーマだと思う。
展示では、おたくの個室、コミケ、秋葉原、ネット空間などが箱庭として再現されるという。どのようなものになるのか、そしてどのような反応を得るのか、楽しみだ。
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