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2010年8月

2010.08.13

北京・大連へ行ってきました

先週末に、10日間の北京・大連出張から無事、帰ってきた。

北京では、1日平均4件のアポをこなし、さらに追加で土曜日にもアポを入れるという大忙しだった。でも、いずれもとてもいいヒアリングだったと思う。訪問先は、政府系の研究所や調査会社、中国のネット企業、日本の情報通信関連企業、日本の政府系機関など。

いろんな人の話をうかがいながら、日本の情報通信産業(インフラ系から、端末、サービス、コンテンツなどいろいろあるけど)は、どんなやり方で中国市場を開拓していくのか、などということをずっと考えていた。(こう書くと漠然としてるけど、それぞれ具体的にも考えていたつもり)。Googleの撤退問題やYahoo!中国の人気低迷などでも見られるように、中国のインターネット市場では特に、現地ユーザーの趣味嗜好に合わせた、「現地適応型」のサービス提供が求められる。もちろん、政府との関係でも「現地適応」が求められる。その一方で、世界共通のサービスをスピーディに提供する「グローバル統合型」のサービスも有効な戦略だといえる。さらに中国では、高品質な日本のサービスや製品への評価は相変わらず高く、経済発展にともなってそのニーズはますます高まっている。

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※北京・西単のユニクロ(情報通信産業じゃないけど)。ここは、日本と同じ商品を同じくらいの価格で同じように売っている。

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※北京のアキハバラ、中関村にて。とにかくフロアが広い。こういうビルがいくつもある。

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※798芸術区では、電子書籍リーダー(たぶん中国メーカー製)の宣伝写真撮影らしきことをしていた。

北京で会った人の中で最も印象的だったのは、ふるまいよしこさんにご紹介いただいた安替(Michael Anti)氏。1975年生まれで僕と年齢がひとつしか違わない人で、ブロガーであり、ニューヨークタイムスなどでも活躍したジャーナリストであり、最近は人気Twitterユーザーでもある。ハーバード大に留学した経験もあって英語も堪能。きれいな発音をしていた。英語、中国語、日本語がとびかう2時間のインタビューは、とても刺激的で面白かった。

Michael Anti(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Michael_Anti_%28journalist%29

さっそく、ふるまいさんが村上龍のメルマガJMMの連載で紹介してくれている。
(8月13日現在ではまだ掲載されていない。もう少しすると掲載されるはず。)
http://www.jmm.co.jp/dynamic/report/title4_1.html

3月に行われた情報社会学会シンポジウムの「米中におけるTwitter の受容と「多様な情報社会」」という発表で話したように、日本だとTwitterはメディア論的に語られることが多いんだけど、中国におけるTwitterは、とても政治的な言論空間だ。安替さんの話は、そういう僕の関心にすごく合っていて、そして本当に面白かった。ぜひ、↑のふるまいさんの原稿を多くの人に読んでほしい。

そして大連市では、市政府の方々に、大連市が「世界の工場」から「世界のオフィス」へと発展してきた経緯や、大連市の強み、将来展望などをお話しいただいた。ソフトウェアパークでは、発展の具体的な経緯や、誘致企業の具体的なビジネス内容、企業に対する支援策の詳細などをうかがった。また日本企業OBの方には、他の都市と比べた大連の優位性についてお話しいただいた。

この他、中小企業ながらインターネット(アリババ)を通じて世界各国と貿易を展開している企業を訪問したり、BPOビジネスなどで成長している、Neusoft社の巨大な社屋を訪問したりもできた。

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※Neusoftの社屋。まるでヨーロッパ中世の「城」。中ではコールセンター業務などをやっている。

多少は大連の歴史を、知っているつもりだったけど、日本語ができる方々の層の厚さや、ビジネスでのつながりの深さなどを、今回の訪問でとても強く実感した。日本企業とのB2Bについては、色々な方が「日本の顧客との取引はハードルが高い(現地視察に必ず来る、品質管理が厳しい、など)」と評価していた。これは否定的な意味だったかもしれないし、そうではなく本当に「日本のお客様に満足してもらえば、全世界に対応できる(のでそのハードルを越えていきたい)」ということかもしれない。

調査メモの整理はこれから。今回の調査の成果は、今後、GLOCOMのホームペー(http://www.glocom.ac.jp/ )や学術論文などを通じて、発表していきたいと思う。