地域SNS研究会合宿
日記を書くのが遅くなりましたが、先週末、地域SNS研究会合宿というイベントを開催しました。
一人の発表について1時間半ずつくらいじっくりお話しすることができて、とても充実した内容だったと思います。地域SNS全国フォーラムがユーザーのお祭りとして充実してきた(たぶん今度の第4回はかなり楽しいと思う)ので、研究についてはこういう合宿討議を続けていきたいと思いました。
2日間の合宿の皮切りは「下北沢ブロイラーSNS」の黒田さんが、これまでの経緯や特徴を説明しました。また下北沢ブロイラーSNSにスパムが来た時のログの解析も紹介され、スパマーの動きが手に取るように分かりました。下北沢ブロイラーSNSについては、私が「都市型の、ゆるやかな人間関係を狭い地域で実現する SNS」と位置づけ、トリ@名古屋大学さんが「意外に盛り上がっている」ことをデータで証明しました。
つぎに、榊原さんが「ラブマツ」の紹介をしました。ラブマツでは毎週オフ会(オン会)があり、SNS上ではほぼ全員が顔写真を掲載し、子供も参加しています。匿名性が低く、オンライン・オフラインで非常に活発なコミュニケーションをしていることが分かりました。こんなに「顔が見える」地域SNSが存在しているということがわかったのは、とても大きな収穫だったと思います。これは近いうちに取材に行きたいと思いました。
それから、名古屋大学の鳥海さんが、地域SNSの人間関係や盛り上がりを定量的に把握する研究を紹介しました。あみっぴぃ、モリオネット、下北沢ブロイラーSNSのデータを比較することで、地域SNS・小規模SNSの平均経路長(ある人からある人まで到達するのに必要なステップ数)、クラスタ係数(友達同士が友達である確率)、同類選択制(同類ごとに複数の塊になっているか、全体でひとつの塊になっているか)がよくわかりました。アクティブユーザー分析も、とても独創的な研究で、しかもわかり易く実際に使える研究だと思いました。この研究はとても参考になると思います。
そして最後に私がこれまでの研究を紹介し(詳細は省略)、「あみっぴぃ」の虎岩さんが最近のあみっぴぃの状況を紹介しました。あみっぴぃでは高知や秋田など県外からのアクセスが増えているんだそうです。
以上、ざっと合宿を振り返ってみました。
本当に充実した2日間でした。来年度も企画したいと思います。
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