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2007年11月

2007.11.25

ぶつかるか、回避するか

情報通信政策研究会議(ICPC)に来ている。

今回はプログラム委員としてセッションを担当しただけではなく、ロジ担当としても準備作業がいろいろ大変だった。けれども、今回も議論の中身が大変さを忘れてしまうくらいに面白い。

ICPCは「発言者を特定する議事録は残さない」というルールを持っているので、誰が何を言ったかは明らかにできないけれども、プログラムのタイトルだけを紹介しても、テーマの面白さと深刻さが伝わると思う。

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1.通信・放送は融合しない
2.ユーザーの声が反映されていないインターネット政策
3.日本のICT産業に明日はない?
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大胆に解釈すると、どの問題も、いよいよ政策を転換して本格的に「情報化」すべきときなのに、これまでの通信放送産業やコンテンツ産業や情報産業を作ってきた企業や業界の構造が、改革を阻害してしまっているということだ。この問題はビジネスや政治的な構造と結びついてしまっているので、いらいろな古い既得権を持っている人たちがいる。そしてそういう人達は、変化に対してできる限り抵抗しようとする(特に経営層などは少なくとも定年退職するまでの数年間は現状維持をしようとしている)。どうせ5年10年後は変化を受け入れなくてはいけないのだけれども。

政策分野にもかかわる研究者として、そういう不合理な抵抗の「壁」にぶつかっていきたい、と思う。しかしそれよりも、国内に見切りをつけて続々と米国に脱出していく優秀プログラマー達のように、壁を回避して修行の旅に出て、国外でも通用する実力を付けたい、とも思う。そんなふうに、自分の将来についても考えたりした。


※ちなみに、次回のICPCは6月頃に都内で開催する予定です。情報通信政策に関心のある、若手研究者の参加をお待ちしています。

2007.11.22

『智場110号』発刊

国際大学GLOCOMでは、機関誌『智場 intelplace』110号を発刊しました。

私は編集部としてインタビューや編集作業を担当しました。何ヶ月もかけて作りました(いやーー、大変だった)。ぜひ、多くの人に手にとっていただきたいです。

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 今号の特集テーマは「日本のソフトウェア産業 人材,競争力,未来」です。日本のソフトウェア産業は輸入超過で国際競争力がなく、世界的な天才プログラマーも見当たらないといわれます。しかしその一方で技術レベルは高く、またゲームの分野では世界的な人気を集めるソフトが日本から数多く開発されています。

 このような中で日本のソフトウェア産業の未来はどこにあるのかという問いに取組むため、本特集では、産業構造、人材、歴史という観点からソフトウェア産業を多面的に論じました。最新のサービス動向やゲーム業界の状況をまとめ、産業構造や産業政策のあり方を論じたほか、「天才」と呼ばれる日本人プログラマー達へのインタビューを軸に、人事制度や人材育成の課題にも切り込んでいます。

*下記URLご購入および、一部記事の閲覧が可能です。
http://www.glocom.ac.jp/j/chijo/110/index.html

特集日本のソフトウェア産業──人材,競争力,未来
o 日本のソフトウェア産業──何が問題なのか 田中辰雄
o SaaSによるソフトビジネスの変革──すりあわせ型とモジュール型の融合 前川徹
o パッケージソフトの低価格戦略──ゲームソフトウェア開発体制と国境 岡島信幸
o 座談会 日本の「天才」たちは何を考えているのか 安達真 ┼ 小野和俊 ┼ 神原啓介 ┼ 洛西一周
o 「天才」たちを生み出す「場」──慶應SFC 安村研究室 安村通晃
o 世界に認められた日本の天才──スクリプト言語Rubyの開発者 まつもとゆきひろ
o 大学の人材育成──東京大学から見た人材育成の課題と対応策 竹内郁雄
o 企業の人材育成──日本企業の人事制度で人材は育つのか?  城繁幸
o 日本のソフトウェア産業の例外?──日本のゲーム産業の競争力 井上明人
o 日本のソフトウェア産業の変遷──企業・政府・市場 砂田薫
o ソフトウェア産業の再定義を 楠正憲
IECPレポート
o イノベーション・テストとソフトウェア開発のための5つの習慣 小野和俊
o 『ネットワーク・パワー ──情報時代の国際政治』 土屋大洋
o 日中韓のネット産業と新世代の動向  高原基彰 ┼ 庄司昌彦 ┼ 井上明人 ┼ 鈴木謙介
o アラブ諸国の情報通信政策──グローバリゼーションの波がもたらしたジレンマ 山本達也
o ITと環境を考える 山本良一

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2007.11.18

SVABO OSTANI! (ドイツ野郎、残れ!)

SVABO OSTANI! (ドイツ野郎、残れ!)
SVABO OSTANI! (ドイツ野郎、残れ!)
SVABO OSTANI! (ドイツ野郎、残れ!)

オシム監督のサッカーをもっと見たいです。代表監督としては無理かもしれないけれど、含蓄のある言葉をもっともっと聞きたいです。ぜひ、健康を回復してください。

Svaboostani320

SVABO OSTANI!という言葉とオシムについては、「オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える」を参照。

2007.11.16

美しい会津

14・15日と、会津Siconという地域SNSの皆さんが集まる「花ホテル講演会」という会で地域SNSについてお話しする機会をいただき、会津柳津温泉というところへ出張してきた。会津大学の学生さんや、色々な取り組みをされている面白い方々と話すことができ、とても充実した出張だったのだけれども、そのことについて書くのは後回しにして、まずはその合間に撮った写真をご紹介したい。

Aizu1
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2007.11.12

国際大学ってこんなところ

わたくしが勤めている国際大学(IUJ: International University of Japan)のメルマガより。

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■IUJが英『エコノミスト』誌によるMBA世界ランキングにランクイン!
9月30日付で、英・エコノミスト誌グループ会社であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット社(EIU)が2007年度のグローバル・ビジネススクール・ランキングを発表しました。

同ランキングでIUJのMBAプログラム(国際経営学研究科)は5年連続ランクインし、今年の総合評価は世界で77位、アジア太平洋地域で5位。日本から唯一ランク入りを果たしました。

項目別のランキングでは、『修了後3ヶ月以内の就職率』が堂々5位、『修了生の国際性』が世界で8位、アジアで1位と高い評価を得ました。

詳細は同社のホームページをご覧下さい。
http://mba.eiu.com/
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世界で8番、アジアで1番(!)国際的な大学だなんて驚きです。東京にいると実感しないけど、新潟の本校は確かにすごいらしい。少しは「国際大学」なんだ、ということを自覚して、英語でちゃんとしたプレゼンくらいできるようにならないといかんなぁと思いました。

2007.11.06

東京→新潟→奈良→東京

先週末は2泊3日の旅に出ていた。金曜日は新潟で日経地域情報化大賞の記念シンポジウムを拝見し、夜に行われた地域情報化研究討論会で地域SNSの現状についてお話しした。土曜日は京阪奈地域SNSのオープニングイベントでお話をする機会をいただき、日曜日は奈良の街並み・まちづくりについて色々教えていただいて帰ってきた。

この東京→新潟→奈良→東京という大移動の日程は、土曜日の朝8時の新潟空港→伊丹空港という飛行機にちゃんと乗れるかというのが大きなカギだった。もしこの飛行機が飛ばなかったり、寝坊して逃したりしたら黄色信号という綱渡り。国内線で1回、国際線で1回、飛行機を逃したことがある僕は、人の前でしゃべることよりも移動がちゃんとできるかということで少し緊張した。

結果は、もちろん問題なし。金曜日は12時過ぎまで懇親会だったけれども、土曜日の朝はちゃんと早起きし、朝食もきっちり食べて空港へ行くことができた。

ところで、今年の地域情報化大賞はRubyCityというプロジェクトを推進している島根県松江市だったけれども、今年の受賞事例は「安全安心系」のサービスが目立った。Lモード電話を活用した岩手県立大学の先生の高齢者見守りサービス、熊本赤十字のライフログ的な健康情報管理サービス、中越沖地震の被災地で生活密着情報を流し続けたFMピッカラはいずれも「運営」が優れていると思った。

お年寄りの生存確認システムは、電気ポットやトイレのドアと連動したものが以前からあるわけだけれど、岩手の山奥では、ストーブでお湯を沸かす人がいるし、畑でトイレをしちゃう人もいるということで、フィットしなかったらしい。それでやっぱりLモードを使ったとのこと。しかもパソコンが苦手な人にはFaxや、玄関前に旗を立てるといった方法も用意したというのが素晴らしい。そして、お年寄りからの連絡がなければ、いろんな手を尽くして「生存」をきっちり100%になるまで確認するというのも簡単なことではないはず。素晴らしいと思う。情報技術もそれなりに優れているけれど、このプロジェクトは当事者の熱意というか「運営」が素晴らしいのだと思った。新潟柏崎のFMピッカラも同様。自らも災害の中にありながら、地域の人々に必要な生活情報を24時間体制で41日間ラジオ放送したのだそうだ。

ただ、地域SNSに関わっている身としては、和歌山県北山村の「村ぶろ」と浜松市の「はまぞう」と長野県須坂市の「いけいけすざか」が受賞しているということがとても興味深かった。受賞者のスピーチを聞き、「はまぞう」の方とお話しさせていただいたりする中で、以前からぼんやり考えていたことが明確になった。実はこれが2日間で最大の収穫なのだけれど、これはもう少し煮詰めたいので別の機会に書くことにする。

自分の出番の方は、まずまずうまく話せたと思う。 思ってた以上に大きな会で緊張したけれど、いろんな方が地域SNSの現状を興味深いと感じてくださったたようで、情報交換や名刺交換に来てくださったのがうれしかった。
Nikkei


2日目の「けいはんな」は、「ひょこむ」の和崎さん、「ごろっとやっちろ」の小林さんと3人並んでお話しするという機会はこれまで無かったので、シンポジウム自体が楽しかったし、その後の懇親会でたくさんの素敵な方々に出会えたのがうれしかった。和崎さんが言ってたように、「けいはんな」はとても人材豊富で、地域としての資源や話題も豊富で、これから大きく発展する可能性があると思う。そうしょっちゅう訪問する機会は無いと思うけれど、今後の展開に注目したい。

最終日の奈良は、ちょっと空気がひんやりしたいい天気だった。5時半に起きて、JR奈良駅→春日大社→東大寺→JR奈良駅というコースを小一時間かけてジョギングした。ときどき鹿が行く手をふさいでいるというのは、なかなかできない体験だと思う。 その後、大阪市立大の藤田先生と京都女子大の水野先生が奈良市内を案内してくださった。3人で歩いた「ならまち」は古い町並みがたくさん残っているところで、しかも、古いものを生かしつつ新しいまちづくりに取り組む人々の姿があちこちで見られた。知らない土地はちょっと歩くだけでも発見が多い。またたくさんの写真を撮ってしまった。
Nara0


Nara1

2007.11.01

サプライズ企画

昨晩は、横浜の地域SNS「ハマっち!」のミーティングに参加。2月29日に横浜で開催することになった全国フォーラムについてなど。

会議が終わって数人が帰ってから、ハマっち運営の中心であるsugiさん、もりさん、インターンのみなさんと一緒に「軽くご飯でも行きましょうか」ということになり、もりさんが行きたいという関内のインド料理屋へ移動。自転車を停めたsugiさんが一足遅れてお店に入ると、なんと、会議が終わって帰ったはずの人達や、会議に参加していなかったインターンくん達までもがずらっと座ってお出迎え。そして驚いたsugiさんに向かって「sugiさん、お誕生日おめでとう!!!」となり、sugiさんの目にはうっすら涙。サプライズ企画は大成功だった。

全国フォーラムについての会議も大事ではあったけど、昨日はこのために横浜へ行ったようなもの。実は何週間も前からみんなでチャットしながら相談し、準備した企画だった(僕は乾杯の音頭くらいしかしてないけど)。ハマっちファミリーの結束を確認するような、とても温かい、いいサプライズだった。