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2006.01.22

通信・放送の在り方に関する懇談会

通信・放送の在り方に関する懇談会の第1回会合が開催され、資料が公表された。とても興味深い懇談会なので、なるべくウォッチしていこうと思う。(そういえば竹中大臣は以前から「政策ウォッチャー」の必要性を訴えていたっけ。)

まず、この懇談会のウェブサイトはここだ。まず、懇談会の名前が「放送・通信の融合」ではなく「通信・放送の融合」になっている。グーグルで検索すると「放送と通信の融合」が101,000件、「通信と放送の融合」が71,800件だ。「放送と通信」の方が世の中では一般的だったようだけれども、この懇談会の名称は「通信と放送」ということになっている。どちらかというと「通信」に関心を持っている自分としては「通信と放送」の方が馴染み深いので、違和感はない。

で、第1回の会議は議事次第によると

(1) 開催要綱について
(2) 議事の取扱いについて
(3) 通信・放送の現状について
(4) その他

というテーマで進行したようだ。今回は今後議論するテーマや進行方針などについて確認をし、現状を確認した、というところで終わったということだろう。本格的な議論は次回から行われる。配布資料によると今後の検討内容(案)として、
(1)国民の視点から見た通信・放送の問題点
(2)いわゆる通信と放送の融合・連携の実現に向けた問題点
(3)それらの問題が生じる原因
(4)通信・放送及びいわゆる融合・連携のあるべき姿
(5)望ましい行政の対応のあり方

が挙がっている。この懇談会は「概ね半年間開催」ということだから、毎月1つずつテーマをこなしていって、6月か7月にまとめるというスケジュールになるのだろうと推測できる。

ところでIさんと議論していて気づいたのだが、この懇談会の資料1.にある「1.背景・目的」はちょっと興味深い。

国民生活にとって必要不可欠な通信と放送は本来シームレスなものであり、近年の急速な技術の進歩を反映して通信・放送サービスがより便利に、より使いやすくなることを国民は期待している。しかし現実には、技術的にも、またビジネスとしても実現可能であるにもかかわらず、制度等の制約から提供されていないサービスもあると考えられる。通信・放送について国民が様々な疑問や願望を抱いている中、それらに対して明快な回答を示すとともに、多様なサービスが国民に速やかに提供されるよう努める必要がある。このため、総務大臣の下に専門家を集め、「通信・放送の在り方に関する懇談会」を開催する。

まず気になったのは冒頭の「国民生活にとって必要不可欠な通信と放送は本来シームレスなもの」というところだ。通信事業と放送事業は従来は別々に行われてきたと見ることもできると思う。しかし、技術的に突き詰めればそう表現することもできると思うし、現状としては通信と放送は融合し始めているのであるから、まあ、この表現を使うことの是非はあまり大きなことではない。

次に資料2.では、

議事の内容については、議事要旨及び懇談会終了後に行う記者会見の概要を、総務省ホームページにて公表する。

ということが書いてある。会議自体を傍聴しに行くことはできないようだが、議事要旨は今後、総務省のホームページで公開されるらしい。これは要チェックだ。

資料3.は参考資料の一部を抜粋したものだ。この参考資料は、「通信・放送の現状」(平成18年1月20日)というもので、全39ページにわたってまとめてある。これは今後の議論の土台となるデータが満載でいい資料だ。参考までに目次を引用しておく。

1 通信・放送に係る市場規模等………………………………… 2
2 電気通信の現状……………………………………………………10
3 放送の現状…………………………………………………………19
4 法制度………………………………………………………………26
5 通信・放送融合・連携の現状……………………………………27
6 諸外国のメディア企業の状況…………………………………35

今後の参考資料の35ページ、「5-6.技術開発の動向」は興味深い。2010年、2015年までの技術展望が書いてあるのだが「ユニバーサル・コミュニケーション技術」としてスーパーコミュニケーション(言語、知識、文化の「壁」を感じさせない超越コミュニケーションをつくる)、超臨場感コミュニケーション(世界初の立体・臨場感テレビ・コミュニケーションをつくる)、高度コンテンツ創造流通(誰でもが自在にコンテンツを創り、情報の信頼を確保しつつ、使える環境をつくる)なんていうのはとても面白いと思う。

この部分は、先日発表された(けどほとんどニュースにならなかった気がする)「IT新改革戦略 」の30~31ページに、「「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるデジタル・ディバイドのないインフラの整備 -ユビキタス化の推進-」として書いてある次世代のブロードバンドインフラの話と関連させて考えると面白いと思う。

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コメント

自民党小委員会は「NTTはグループ一体で国際競争力を高めるべきだ」との意見でNTT問題を4年後に議論を先送りしたと報道されています。全くがっかりです。国際競争力は4年間先送りされた気がします。
NTTは伝統的に内向きの組織で、独占的な既得権のもとに国際競争力にはほとんど無関心と言っていいほどでした。国際競争力をつけるには、国内の熾烈な競争が前提です。これは携帯電話事業をみれば明らかです。
一方国内通信機メーカーはNTT頼みの体質を一刻も早く脱却し、国際競争を目指すべきです。フィンランド、アメリカ、韓国、中国などに負けぬように。

コメントありがとうございます。私自身、NTTのあり方論については非常に関心を持っているのですが、まだ結論は固まっていません。

NTTに国際競争力を持ってほしいというお気持ちは分かりますが、まず国内でインフラをあまねく整備し、質の高いサービスを安価に提供する、という大目標があると思います。それがNTTの競争力よりも重要な、日本の国際競争力の強化につながります。そのための最適解が、NTTを分割して競争させることなのか、分割せずにNTT、KDDI、ソフトバンクの3強を中心とした競争の条件を整えることなのか、という考え方をするべきなのでしょう。しかしこれは、巨大なものは分割すればいい、というほど簡単なことではありません。米国では通信会社を分割し、競争促進政策をとってきましたが、結局、インフラ整備が遅れ、しかも巨大メディア企業への収斂が起こりました。私は、2005年ごろを境に米国政府は、ブロードバンドインフラ整備はある程度の企業規模や体力がないと出来ないということを理解し方向転換を図ったのだと理解しています。

まだまだ勉強中ですが私はそんな認識でいます。

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