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2005年11月

2005.11.22

情報通信政策研究会議

19日~20日の日程で、第3回の情報通信政策研究会議(ICPC)を開催した。これは情報通信関連の政策に関心を持つ産官学の人々(年齢は30代が中心)が集まって研究発表や議論をする会合で、米国のTPRCを意識している。

今回は「若手底上げ合宿」ということで、研究者など24名が参加、16名が発表した。テーマは、IP電話と規制動向、次世代電話網、過疎地域の通信基盤整備、選挙とインターネット、ウェブアクセシビリティ、Web2.0、通信と放送の融合、技術標準と政策、IPアドレスの分配、地方自治体のIT調達、著作権法、「パクリ」バッシング、安全保障などとても幅が広い。今回の発表は、各自が自分自身の仕事や研究をバックにしているので内容が深くて、それに対するフロアからの議論も濃密だったと思う。役所の方々やいろんな研究をしている人たちとこんなに長い時間いろいろなテーマで語れる機会ってそんなにないと思う。本当にいい2日間だった。

それから、会場の湘南国際村のIPC生産性国際センターは施設の使い勝手がよく、しかも葉山・逗子の海をずばーんと見渡す眺めが最高に良かった。

自民党シンクタンク

昨日の午後、赤坂プリンスホテルで自民党が開催した立党50年記念シンポジウム「政策形成のあり方と政党シンクタンクの役割」に参加してきた。政策過程の研究者としては、政党シンクタンクの設立はとても気になるので。

参考:
http://www.jimin.jp/jimin/daily/05_11/21/171121c.shtml
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1489346/detail

↑にあるように、約550名が参加し、米国のブルッキングス研究所(というか朝日新聞)の船橋洋一氏、安倍晋三官房長官、中川秀直政調会長らが登場する華やかなシンポジウムであった。印象に残ったコメントを少し紹介。(私自身のメモを基に言葉を補いながら表記しているので、表現は正確ではないかもしれません)

中川政調会長
竹中さんのような人が出てきて、政府の中で改革を推進する。そういうことはこれからも続々と必要になってくる。役所が真ん中にあり、横に審議会があって民間の意見を吸い上げる、政党の部会も並行する、という構造では吸い上げられない知恵もある。党がシンクタンクを使って直接吸収していかなければならない。
船橋洋一氏
自民党のよさは、国民政党で非常にやわらかい構造であるところ、リーチ・ウィングが広く、上から押し付けないからいろいろな議論が出てきて競争するところだ。アイディアを競争にさらすことが活性化の第一である。
安倍官房長官
自民党は冷戦時代には、相手となる社会党・共産党とはよって立つ考え方(イデオロギーのこと)が全く異なるので、細かい政策論争が必要なかった。だが現在の二大政党状況ではシンクタンクを使って政策を充実させなければいけない。

ただし、肝心の「自民党シンクタンク」についての具体的な情報ははほとんど発表されなかった。パネルディスカッションも、抽象的な霞ヶ関批判が多く、いまひとつ具体性に欠けていて残念だった。

大いに期待しているのでこの件だけでこのシンクタンク構想を否定するつもりはないが、まだ合意に至っていないことや発表できないことが多いのではないかと思った。設立に尽力している方々の苦労が透けて見えた気がする。

12月10日には民主党も政党シンクタンクの設立シンポジウムを開催する。こちらにも期待したい。

参考:http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1493346/detail

2005.11.17

エストニアの無線LAN

CNETのWi-Fi先進国エストニアを支えるギークたちというコラムを読んだ。GLOCOMのランチミーティングで取り上げられたこともあるが、このエストニアという国は本当に面白いと思う。

コラムによると「エストニアでは、素晴らしいWi-Fi(無線LAN)ネットワークが国中に張り巡らされており、僻地でさえその例外ではな」く、「小さな町のカフェや市の公園、さらにはバーやレストランもない遠隔の町にある国立公園でさえ、ラップトップを開き、ボタン1つでネットに接続することができ」るそうだ。しかも「カフェのオーナーは、ネットへのアクセスを『お手ふき用のナプキン』と同じくらい当たり前の事柄とみなすようになってきている」という。素晴らしい!

しかもこのコラムに出てくるような若いギークたちが無線LANの敷設を国中で説いて回っているというあたりがさらに素晴らしい。無線LANといえば台湾も全島を公衆無線LANで多い尽くすプロジェクトに取組んでいるのだけれども、(このプロジェクトも十分素晴らしいと思うのだが)話を聞いた限りでは政府や大企業主導で、ユーザーの熱気という意味ではエストニアの方が勝っている気がする。