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2004.03.07

おたく立国のための政策論

山形浩生さんが、朝日新聞Beで「「おたく立国」ってマジ?」というコラムで、政府がアニメやゲームの国際競争力に目を付けて、この産業を支援する法案を近々提出する、ということについて批判していた。

公的な産業支援育成政策がうまく行くことはほとんどなく、

下手な支援策のおかげで、不採算産業がずるずる延命し、強かった産業が左うちわのぬるま湯利権業界と化すなど、かえって没落する結果になることだってある

と指摘している。
理由は、

将来どんな産業が重要になるかだれにもわかんないからだ。官僚たちは優秀だけれど、日本の産業の将来を読める人は役人になるよりビジネスマンになったほうが成功するだろう。5年、10年後の流行を先読みする産業振興策は、そもそも分が悪いのだ。

ということらしい。

基本的にはおっしゃる通りだと思う。国は基礎研究や衰退産業の撤退を支援する必要はあるけれど、産業振興をやる必要はほとんどないだろう。儲かりそうな産業には民間企業が勝手に集まって、勝手に盛り上げていくはずだ。そこに国が乗り出していって甘やかしたり積極的に音頭を取りだすと、「協力」モードの陰に「競争」が隠れてしまい、確かに活力がそがれてしまいそうだ。だから僕も、国にはあまりでしゃばった真似はしてほしくないと思う。

だが、本当に国は何もやる必要はないんだろうか?

人材の育成とか、場の提供とか、著作権制度の整備(強化ではない)とか、この産業の足腰を強くする支援は必要ないのだろうか。また、現在のビジネスの中で、既に既得権でぬるま湯になっていて改革を必要としているところは無いだろうか。あまり出しゃばらずに国がやるべきことというのはあるはずだ。僕がアキバで会った官僚の方もそう考えているようだった。

山形さんは「松文館事件」に言及し、「もし政府がおたく文化を助けたいのなら、ああいうのを守ってくれないと」と述べている。アニメやゲーム産業の背後にはものすごい規模の同人作家たちがいて、エロなんだけどものすごく高度な作品を作ったりしている。彼らの勢いをそいでは何にもならない、という指摘だ。こうやって問題をちゃんと提示するあたりは、さすがです。

「おたく立国」のための政策がマイナスに作用することなどだれも望んでいない。より「まし」なものにするためには、どうすればいいか、今後も考えていきたい。

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