« 中山信弘教授「事務局は余りにも独善的である」 | トップページ | 政策メッセの感想 »

2004.01.11

e-democracy の現在―政治・選挙・政策形成と市民の関与

第5回政策メッセ@中央大学後楽園キャンパスに参加。

今日の収穫は『e-democracy の現在―政治・選挙・政策形成と市民の関与』というワークショップ。昨年からずーっと気になっていた、「祭り」や「モブ」と政治の関係を鈴木謙介さんが「ネット上のムーブメントは政治的運動になりうるか」というプレゼンで整理していた。

特に「人間関係がストックからフローへ変わってきている」という流動性の問題という話が興味深かった。これは、都市化・近代化に加え、ネット上のコミュニケーションの発達によって匿名性が高まっていることが原因となっているそうで、次第に顕著になってきているらしい。

鈴木さんによれば、相手の素性を確かめずに(確かめる前から)コミュニケーションするためには、テンプレート化した共通語を使ってその場をやり過ごすような態度をとるほうがコストが低く、合理性が高い。このような態度をとることで、フローのコミュニケーションをやり過ごす傾向が強まっているそうだ。

確かに、ネットコミュニティでは、「共通の関心」や「盛上がり・ノリ」が優先されるから、共通語でいきなり会話できるし、人間関係を深めることは二の次である。この人間関係はまさに「フロー」的だ。そして鈴木さんによれば、ネット上の「場」がつまらなくなったら、次の場所、次の関係に移ればいい。だから、コミュニケーションの場所を守るために知恵を出し合う動機付けは低く、したがって継続的なノウハウや知識が蓄積されなくなってきている、という。

うーん、ごもっとも(だと思った)。

鈴木さんの結論は次のようなものだ。「2002年頃から話題になっている「大規模オフ」は、一体感+(文脈等の)共有+感動を追求しており、人間関係の流動性も高い。そのため、場の維持に対するコストが払われにくくなってきている。だがe-democracyを考えるのなら、モブや一過性のイベントではなく、コミュニティ(フローではなくストックな人間関係)を作り出せるかどうかが重要だ」。

選挙を「祭り」的に盛り上げて大きな流れを作り出すことは可能だろう。ネットがそれを助長する可能性は高い。だが、それは政策や政治の内容の善し悪しとは全く関係ない。鈴木さんの前に、民主党の鈴木賢一氏が、イギリス労働党は3年がかりで有権者や利害団体と議論を繰り返しながらマニフェストを作る、という話をしていた。よりストックな人間関係が政策形成には役立つ、ということだろう。

« 中山信弘教授「事務局は余りにも独善的である」 | トップページ | 政策メッセの感想 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42540/962923

この記事へのトラックバック一覧です: e-democracy の現在―政治・選挙・政策形成と市民の関与:

« 中山信弘教授「事務局は余りにも独善的である」 | トップページ | 政策メッセの感想 »